tipToe.の曲ができるまで(音楽Pってなに?)

こんにちは。アイドルグループtipToe.のプロデューサー本間です。

僕は音楽業界からアイドルPを始めた人間なのでプロデューサーと言えども音楽プロデューサー的な側面が強いです。 逆に衣装や写真、映像関係はヴィジュアルプロデューサーの長谷川圭佑Pに任せてます。

で、ですね。
音楽プロデューサーってなにやってるの?という疑問って絶対あると思うんですよ。だって作曲家でもない訳で自分で曲作ってないのだから、何のためにいるの?って。

丁度3月には「magic hour」というtipToe.初のフルアルバムも発売することですし、僕がtipToe.の曲を1曲作るまでにどんな事をしているかをご説明しようかなと思います。

工程を順を追って説明していきますが、この工程は状況によって変わるので必ずしもこのパターンで制作されているとも限らないです。あくまでモデルケースだと思って頂ければ。
それではいってみましょう。

 

1.コンセプトを決める
最初に楽曲コンセプトを決めます。要するに「どんな曲にするか」(テーマ)を決めるんですね。例えば「夢日和」は「ちょっといいことがあって根拠はないけど今だったらなんでもできちゃうような気がする」がテーマで、そんなキラキラした瞬間を切り取った曲を作ろうというところから始めました。そこから、そんな時は楽しい気分になるだろうから「四つ打ちで気持ちよく踊れる」や「素朴で明るい世界観」などの具体的な発想に膨らませていきます。

 

2.作家さんを決める
その曲に合う作家(作曲家)さんに作曲の依頼をします。作家さんごとに色があるのでどなたにお願いするかは重要です。tipToe.は瀬名航君がメインで活躍してくれていて、瀬名航君を中心に作曲のお願いをしています。

 

3.作家さんに方向性を説明する
自分が考えたコンセプトを作家さんに伝えます。伝える時はできるだけ情報を沢山渡すのが大事です。世界観、音楽的ジャンル、テンポ、乗せたい歌詞などなど。なんでそう考えたかなどの背景も説明するようにしてます。

 

4.作家さんが1コーラスデモを作る
メロディやおおまかな構成がわかるAメロ〜Bメロ〜サビみたいな1コーラスだけのデモ音源を作家さんに作ってもらいます。細かい部分はここでは気にせず、まずメロディが良いか、曲の中でも特に印象的なフレーズがアリか、本間のイメージが間違いなく作家さんに伝わっているかを確認します。ちなみにまだ歌詞がないので歌の部分はカラオケのガイドボーカルみたいな音で入ってます。

なんでいきなりフルコーラスを作らずに細かく確認するかというと、フルコーラスまで作って本間がダメ出しフルボッコしてしまった時に作業が無駄になりすぎるからですね。なので、段階を追って確認していくという訳です。例えば「かすみ草の花束を」はサビを全とっかえしてます。(さらっと)

 

5.作家さんがフルコーラスデモを作る
4の修正が落ち着いてきたら、作家さんにそこそこアレンジを詰めたフルコーラスデモ音源を作ってもらいます。ここからは良い部分は良い部分で「このアレンジ最高じゃん!!天才か!!」と讃えつつも細かい部分も色々とチェックを入れていきます。
例えば、
「このピアノのフレーズ微妙だから他のないですか」みたいなざっくりしたものから、
「サビの何個目のコードはコレジャナイ感があるので、こういうコードにしてほしい」
「ここはもっと派手にしたいからこういう音のギターを足してほしい」
「間奏長いから半分にしよう」
「サビ前のこのフレーズはこんなのにしちゃうのどうですか?」
など、結構具体的なものまで色々言います。
例を挙げると「かすみ草の花束を」の最後の最後、「先が暗くても 声が震えても〜」以降のもうひと展開は最初なかったのですが本間の「もっといけるでしょ!!ダメ押しのもう1回し!!」(どう言ったかは覚えてない)の発言が発端で追加されてます。

勿論、作家さんからの反論タイムもあって、お互い納得するところを探していく作業になります。詰めに詰めていくと最後は「相手の言ってる意味もわかる。これはもう趣味の問題。」という領域に到達してくるのですが、本間がその部分を譲れない時はプロデューサー権限で本間の意見に合わせてもらうこともありますし、作家さんにとって捨てたくないこだわりで、プロデューサー的に許せる内容だったら作家さんに譲ったりします。

この作業が結構大変で、何回も直しているうちに「あれ?これかなり正解に近いとこまできた」という確信を持てるタイミングがやってきます。その時が一番テンションあがりますし、その音源何回も聞いちゃって「はぁ、好き。。。」みたいになります。

工程4〜5の間で何回もリテイクを繰り返して曲のクオリティをあげているのです。瀬名航君をはじめ、このリテイクに付き合ってくれる作家の皆様にはいつも感謝してます。

 

6.歌詞を書く
次に歌詞を書きます。tipToe.は歌詞から先に作ったことはないです。最初に説明したコンセプトに沿って曲を書いてくださった作家さんが歌詞をそのまま書くことが多いです。作家さんが書いてくださった歌詞を僕がチェックして、直してほしいところを指摘することで少しずつ整えていきます。「ハッピーフレーバー」はtipToe.史上唯一1発OKだった歌詞で、他の曲は少し直してたりします。そういえば寧々が書いてくれた「僕たちは息をする」も直してないです。寧々凄い。

あと主に瀬名航君の曲の時は本間も作詞することがあります。「ひとりごと」は瀬名航君も本間も別々の歌詞を書いていて、最終的に瀬名航君がそれぞれの歌詞から良い表現を拾ってまとめ上げることで制作されました。実は共作に近いです。

 

7.仮歌入りデモが完成する
歌詞が決まったら、作家さんによりますがボカロかご本人歌唱かで歌を入れたデモ音源を作ります。「クリームソーダのゆううつ」はメンバーも言っていましたが作家のaoi kanataさんのボーカルが素晴らしく、それはそれで一つの完成形でした。この仮歌入りデモまでいけば、やっとメンバーや関係者に共有することができます。メンバーはこれを聴いて歌の練習をすることになります。

ここまででひとまず作家さんのお仕事は終わりとなり、レコーディングエンジニアさんに曲が引き渡されます。

 

8.バンドレコーディングをする
tipToe.ではバンドっぽい曲は生の勢いやニュアンスを大事にする為、ベースやドラムなどの楽器類は打ち込みではなく実際に本間の好きな演奏者の方に演奏して頂いてレコーディングしています。この時に仮歌入りデモ音源から更に演奏者の方のアレンジが加わり、みなさんの耳に入る音になっていきます。

 

9.ボーカルレコーディングをする
バンドレコーディングまで済めばオケは完成なので、最後にオケに合わせてボーカルのレコーディングをします。ボーカルのレコーディングの前に歌割りをしておくのですが、歌割りはメンバーの声質や個性を考慮しながら全て本間が決めています。

tipToe.はボーカルレコーディングにかなり時間をかけており、本間とエンジニアさんとメンバーでスタジオに入って納得がいくまで何度も録り直しています。歌うにしても「可愛い感じで」「シリアスに」「感情的に」など表現によって聞こえ方が違います。

 

10.ミックス/マスタリングをする
エンジニアさんが演奏やボーカルを全てまとめて一つの楽曲に仕上げていきます。この時にオケに対してボーカルの聞こえ具合や、楽器類のバランスなど考慮する部分が沢山あり、これも本間とエンジニアさんで相談しながら何度も修正していきます。正解がない作業なので最後の方は案の定僕らしか違いを感じないであろう自己満の領域に突入します。

そして完成です!!

 

以上です!いかがだったでしょうか。
音楽プロデューサーの視点から曲ができあがるまでの流れを書き出してみました。

プロデューサーと言ってもどこまで制作に関わるかは人によって違うのですが、僕の場合は作詞は自分でしているものもあったり、作曲や編曲も割と具体的な提案をしてしまうこともあるので、プロデュースと言いつつも作曲自体に結構介入しています。こういう作品の内容自体に色々指示を出す仕事はプロデューサーというよりもディレクターって感じですね。

これでなんとなく音楽プロデューサーの仕事がわかって頂けたでしょうか?

<全体の方向性を定め、作家さんやエンジニアさんなど曲作りに必要な人材を集め、完成まで導く>が音楽プロデューサーのお仕事で、それに加えて僕は作曲に介入してるので<曲の内容に指示を出し、作品クオリティを高める>ディレクターも兼任しているイメージです。

構想から完成まで全工程に関わるので完成した時は我が子のようですよ笑 みなさんが曲を褒めて下さる時は嬉しくて仕方ないです。

これからも頑張って良い曲作っていきますので今後ともよろしくお願いします!まずは3月発売のtipToe.のフルアルバム「magic hour」買ってね!!

 

 

 

 

買ってね!!

 

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