アーティストもマネージャーも同じ幸せを願うが故に『いざこざ』は生まれる

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こんにちは。

te’みたいなタイトルにしてみました。

今日はアーティストとマネージャーのことを話します。
マネージャーと言いますか、アーティストとして表舞台に立つ人とそれ以外の人の話です。
マネージャーの部分は時にディレクターと読み替えてもいいし、プロデューサーでもよいし、プロモーターだっていいです。その他好きなものに読み替えてほしい。

まぁ、総じてスタッフでもいいんですけど、スタッフだとアーティスト以外の全ての裏方関係者を含めてしまうので今回はちょっと違います。今回は、アーティストのすぐ近くでアーティストに対して提案したり、指示したり、色々と頭を捻っている部類の人たちのことを指したいです。良い言葉がないので今回はそこに含まれる職種の1つである”マネージャー”と呼びます。

そもそも最近は大御所アーティストでもない限り、アーティストはマネージャーの仕事の一部を担うし、アーティスト以上に有名だったり主導権を握っていたりするマネージャーもいるからそこを分けるのは今時ナンセンスなんですがそれはまた別の話です。

さて、前置きが長くなりました。

 

今日の話の結論を最初に言ってしまうと、「アーティストもマネージャーも”アーティスト”というチームがうまくいって全員が幸せになれるようにと心から願って日々頑張っているにも関わらず、どうしても衝突する部分があって争いが起こるから悲しいよね」です。

なんでこんな話を唐突にしているのかというと、先日とあるマネージャーさんとこんな感じの会話をしたからです。

 

マネージャー「本間さん、うちのアーティストの新曲どう思いますか?」

本間「僕は好きですよ。」

マネージャー「あー、好きなのか。私はあんまりいいと思わないんです。」

本間「そうですかね?全体を通して淡々としてて格好いいですよ。あれ?この質問って僕個人としてではなく音楽ディレクターとして聞いてます?」

マネージャー「そうです。」

本間「あぁ…ならイマイチですかね。わかりにくい。僕個人に対して質問されたのかと思いました。」

マネージャー「うーん、やはりそうですよね。こないだわかりにくいって言ったら反発されちゃって…。」

本間「こういう時複雑な気持ちになりますよね。自分は好きだけど、マネージャーとして売れるかどうかも考えて言わないといけないから。」

 

今回の記事で伝えたいことはほぼこれが全てなんですけど、僕らはアーティストの共同制作者であり、ファンであると同時に、仕事としてアーティストを売らないといけない立場なので色々な視点を持って発言しているんです。マネージャーサイドも多くの場合音楽が好きで、音楽に支えられたり音楽の力を感じたりした結果、その音楽好きを拗らせてこの業界で働いています。ですから世間一般よりも沢山音楽を聴いてきていますし、どこかしらの方向に尖っている精神的な意味でパンキッシュな時期を経て、社会の荒波と戦う数多の先人アーティストやマネージャー陣の姿を見て学び、今に至っています。元バンドマンで尖ってた人が今マネージャーとして尖ってるバンドマンに諭しているなんていうパターンも決して珍しくありません。

 

その上でアーティストに対して曲や歌詞、ライブの内容などに意見を言っているので、表面に見えている以上に考えて発言しています。例えば、アーティストが作ってきてくれた曲に対して「もっとわかりやすいサビと歌詞にしたほうがいいんじゃないか」という社会迎合的なアドバイスをする時も、場合によっては内心複雑だったりする訳です。

本当は以下のような葛藤を経て発言しています。

 

「(この曲良いなー、、、とはいえ僕は好きだけどこのままじゃ一般にわかりにくくて売れねぇよなぁ、、、、雰囲気はこのまま残しつつも、もっとわかりやすいサビをつけてもらう必要があるし、歌詞も本人の心境が出てて説得力あるから残したいけどこの内容だと一般はついてこれないだろうからもう少しみんなが共感できる感じに言い換えてもらわないといけないな。だから)もっとわかりやすいサビと歌詞にしたほうがいいんじゃないか」

 

もちろん理由を説明せずに「わかりやすいサビや歌詞にして」と言うことはありませんが、頑張って一生懸命説明しても条件反射的に「お前はわかっていない」「ロックじゃねぇ」「そんなの俺がやりたいことじゃない」「そんなダサいことできるか」と反発が飛んでくることがあります。僕らはそんな節穴じゃないし、本当はやりたいことやってほしいと思ってるし、でも売れないとアーティスト自身も僕も会社も困るからマネージャーという役割に徹して発言している訳です。売れるなら今のまま是非やってもらいたい。

 

ちなみに僕らが言ってるのは「自分たちの良さを捨てて量産型のわかりやすい曲を作れ」ではなく「自分たちの良さを多くの人にわかってもらえるような形に落とし込んだ曲を作ってくれ」です。自分たちの良さを守ったままわかりやすい曲作れるアーティストは滅茶苦茶格好いいです。メジャーの最上位グループにはそれを実現している方も多いです。

 

自分の作品は時間をかけて生み出した自分の分身であり子供みたいなものなのでアーティストからするととても大切な存在です。当然それを批判される(批判ではないんだけどね)と気分は良くないですし、反射的に反発してしまう気持ちが出てくるのもわかります。まぁ反発せずにちゃんと話し合えるオトナなアーティストもいますけどね。

それを分かって反発を覚悟の上でマネージャーが色々意見を言うのは嫌いだからではなく、他人事じゃないからです。アーティストの幸せを願うからこそ意見を言います。アーティストが夫なら、マネージャーは妻です。会社によって偶然組まされたチームかもしれませんが運命共同体です。アーティストが作品を自分の子供だと思うなら、マネージャーも作品を自分の子供だと思ってます。

夫の仕事ぶり(活動内容)や子供の教育方針(楽曲の内容)が夫や子供の為にならないと思うなら反発されようと妻が意見を言うのは当たり前の感覚です。妻も人間なので時には的外れなことを言う時もありますし、立派な代案を立てられない時もあります。その時はごめんなさい。逆に僕らを先導して僕らがもっと役立てる様に指導してもらえたら助かります。そういったことが少しでも減るように日々努力します。

 

 

今回の話は、先に出した会話以外の場面でもマネージャーの方々と話してると似たような苦労話が良く出てくるので”あるある”な話なんだろうなと思い、ざっくりと書いてみました。アーティストの方がマネージャーになにか言われてイラッとした時にこの記事を思い出してもらえたら幸いです。本当は僕らもアーティストのやりたい様にやってほしいです!だってアーティストだから!それが一番!いつかそうなるように一緒に頑張っていきたい!

以前、僕がとあるアーティストに対して様々な事情から不本意な指示を出さないといけなくて申し訳ないと思いつつ指示したら、「本当は嫌だけど、本間さんがそう言うのならきっと事情があると思うので従います。」と言ってくれたことがあってそれはとても嬉しかったです。なんとかもっと幸せに活動してもらえるように頑張ろうと思ってしまいました。単純なんで。

 

アーティストもマネージャーもお互い色々頑張りつつ一緒に歩んでいきたいもんですね。

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