暇を持て余すも吉

普段使っている交通系ICカードKitacaが先日壊れてしまい自宅で代わりのカードを探してたら大学時代の定期券が出てきた。定期には20歳と印字されていた。

上級生になってキャンパスが変わるまでの2年間、僕はこの定期を使って東京の自宅から埼玉の住宅街にある大学に通っていたのだけど、当時何をしていたかというと何もしていなかった。いや、何もしていなかったというのは語弊がある。世間一般で言われる”意識高い”ことを何一つしていなかった。当時バンプやアジカンのコピバンをやっていた仲間に紹介されて上野駅の回転寿司屋でアルバイトしたり、その半年後に店長と馬が合わずそのバイトを辞めたり、バイトで稼いだ金で8kg近い重さのMTRを買い込んで幸せな気持ちで御茶ノ水から割と近い自宅に歩いて持って帰ろうと思ったら予想以上に重すぎて途中で不幸な気持ちになったりしていた。これは大学生になったばかりの頃の話。

そんなうちに今でも自信を持って親友だと言える仲間が何人かできた。ブックオフでジョジョを全巻読破することを生きがいに1年生の最初の半年を過ごすような奴だったり、暇を持て余して筋トレしていたら腕がムキムキになってしまった奴だったり、冷蔵庫を買ったはいいが置く場所まで考えていなくて1Kの部屋の真ん中に冷蔵庫が鎮座してしまった家に住んでいる奴だったり、そういう人たちだった。言うまでもなく女っ気は全くない。

僕らはテニサーに入ってウェーイすることもできない様な人種だったので、とりあえず日中は授業が終わったら誰からともなく集まってダラダラと過ごし、8がつく日と9がつく日は980円で飲み放題ができる大学の近くの居酒屋に行って軟骨の唐揚げとフライドポテトを頼んであーでもないこーでもないと、どんな話をしたか覚えてないぐらいどうでもいい話を延々とした。その後は駅前のカラオケに行くか、スーパーで買ったアイスを持って公園で自転車vs人間の徒競走をするかした。ちなみにカラオケは決して安くなく、しかしながら近くの繁華街の最安値にそこまで行く交通費を足すと総合的に10円だけ駅前のカラオケ店の方が安いという絶妙な料金設定になっていて、我々は見事その策略にハマりそのカラオケ店でレミオロメンの粉雪を歌っては喉を潰していたのだった。

そういうどうしようもない日常を送っていた僕らではあったけれど、今はみんなそれなりに大きな会社に入って立派に働いている。中にはもう子供がいるような奴もいる。子供にたまに会うと無限肩車を強要され、その度に僕の翌日の肩や脚は犠牲になる。

学生のうちに資格を沢山取ったり、インターンシップや学生起業で学生でありながら社会に出たり、スターバックスでmacbookのキーボードを大袈裟に叩いてみたりそういうものが必要だと言われがちだけど、僕は僕が過ごした大学生活はあれで間違ってないと今でも思っている。あの頃の無限にも思えた暇な日々も、放課後友達の家に遊びに行く時に見た真っ赤な夕焼けも、宅飲みの後散歩した夜道も、全部宝物みたいな時間だった。あんな時間があったから今もなんとか大丈夫なんだと思うんだよね。

もちろん学生のうちに色々頑張るのは大事だと思うし、その時しかチャレンジできないものも沢山あるけど、暇な日々を全力でダラダラ過ごすっていうのも1つ悪くないものだよ。定期が出てきたのでそんな昔のことを思い出してしまったのでした。

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